とある数学徒のひとりごと

ゆるく, しかし粘り強い思考を求めて

張り合わせと心

僕は数学を専門に研究している。(ここで申請者などと始めるといい職業病だ。)

 

最近は幾何学をしているのであるが、うまい張り合わせというものがどうも考えられないでいる。

 

これもだめだ、あれもだめだと考えているうちに、心がどこか遠くに行ってしまう。

 

数学の研究だからこそ自由に戻ってこれるのだけれど、これって人の心だったらたいていの場合戻ってこないよなぁと感じた。

 

なにぶん、ほとんどの時間を一緒に暮らしていない他人に対して気持ちを寄り添ったり、逆に何か完全に助けてもらおうと考えること自体がなかなか厳しいことなのではなかろうか。

 

図形の層は張り合わせられても、心の層は張り合わせられなさそう。

 

まるで粘着力の失ったポストイットのように。

 

キモチの良いくらいの薄情さの中でここ数年生きてきたけれど、やはり人間関係は粘着しない方がやりやすい。(研究には粘着性が必要不可欠ですが。)

 

冬の到来と知人たちの失恋報告が重なる中、ふと思ったことでした。